DATA
タイプ:エクステリア
木 材:国産ヒノキ(天然乾燥・無節)
仕 事:木材選定、木材調達
所在地:東京都港区
数寄屋の技術と感性で空間デザインを行い、伝統的な建築や家具、内装などを得意とする「遼有堂」。東京の一等地にある料亭の太鼓橋を改築することになり、その材のコーディネートを森未来がお手伝いしました。

昔ながらの大工道具を駆使して斬新な空間デザインを手がける 遼有堂(参照:https://ryoyudo.jp 以下の写真も同様)
「そこのお店は日本画の風景をイメージして作られた庭園だったので、その風景と調和して溶け込むような材がいいなと考えていました。一方で、国産だと高価で見つけ出すのに日数がかかったり、乗り越えなきゃならない壁がたくさんあるんです。
建材屋さんでは規格外のモノは見つけにくいし、地域の材木屋さんだとそこで扱ってる材木以外のモノを探しにくい。良い木材を求めて鳥取まで行って探してきたこともあります。良質な材探しはいつも苦労していたので、今回森未来さんにお願いすることにしたんです」

遼有堂 代表 峯岸遼有氏
数寄屋大工はもともと茶室を作る大工で、主に木造軸組工法で茶室風を取り入れて家屋を造る(数寄屋造り、書院造りという)職人。実用一辺倒ではない細工や材料を用いて、侘び寂びといった粋や趣を表現します。日本の伝統工法とも呼べる数寄屋ですが、材料調達にまでこだわろうと思うと相当な労力が必要でした。

匠の技が随所に凝らされた遼有堂の仕事
「今回の橋の場合、木材としての品質と耐久性が必要でした。すると、ヒバやヒノキの良材が候補になりますが、森未来さんに提案していただいた「国産」のヒノキに惹かれました。
ヒバでも耐久性や木目の綺麗さはありますが、自力で探していたら米国産になっていたと思います。国産の、品質も申し分ないヒノキを提案してもらえて助かりました。
これまでは『良いものを見つけるには自分の足で見つけろ』という慣習のようなモノがありました。ですが、あれだけの材を自分で見つけ出すには、相当な労力がいるだろうし、その労力をかけても見つけられないかもしれない。そういったことを考えると、やっぱり森未来さんに相談しただけでそれが実現できるっていうのは有難いなと思います。」

国産ヒノキによる太鼓橋
森未来の木材コーディネートは全国各地の材木屋からクライアントの要望に沿った材を選定し提案致します。材料を探す労力と時間を省くことで、デザイン・設計・施工により集中できる環境を用意し、皆様の求める空間デザインの精度を高めることに貢献いたします。今回は「日本画のような風景に馴染むような品格のある木材を」というオーダーでしたので、国産でも品質にこだわったヒノキをご用意させていただきました。天然でじっくり乾燥させた無節のヒノキ。銘木屋さんが大切に保管していたものをコーディネートさせていただきました。遼有堂様はもちろん、訪れるお客様にも喜んでいただける太鼓橋に仕上がったのではと思います。遼有堂様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。